スローガン

理事長所信

はじめに

 1949年、戦後間もない荒廃の地東京にて「新日本の再建は我々青年の仕事である」という責任感と情熱を持った祖国を愛する青年たちにより設立され、明るい豊かな社会の実現を理想とし日本の青年会議所運動は始まりました。翌年より共に向上し合い、社会に貢献しようという理念のもとに全国各地に次々と青年会議所が誕生し、この白山青年会議所の前身である松任青年会議所は1971年に460番目のLOMとして産声をあげます。そして、2005年2月1日、平成の大合併により松任市・美川町・鶴来町・河内村・吉野谷村・鳥越村・尾口村・白峰村の1市2町5村が合併した白山市の誕生と時を同じく、35年間受け継がれてきた松任青年会議所の名称を白山青年会議所へと変更しました。昭和から平成、令和へと時代を紡ぎ、51年間という半世紀以上の長い年月を駆け抜けてきたこの白山青年会議所は、地域社会を取り巻く環境が時代とともに大きく変化していこうとも、私たちが諸先輩方から連綿と受け継がれた精神や想いは変わることはありません。「過去」からの歴史や伝統、経験を「未来」へとつなげていくことは私たちの使命であります。

 一昨年以降、私たちの住む世界は新型コロナウイルス感染症により日々の環境は一変し、世界規模で社会的、経済的、政治的危機を引き起こし、誰も経験したことのない甚大な影響を与えました。今まで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、常に何かをする時にはそれが本当に必要であるのかが問われ、会議ではリアル会議とオンライン会議を融合したハイブリッド形式で開催される機会も多くなり、実際に向き合って会話をすることができてもマスク着用が必須となり相手の表情も分からないといった状況が今もなお続いています。この状態が長く続いてしまった結果、「不要不急」と判断されてしまったものは失っていくこととなり、本当に必要とされること、本当に価値が認められたことだけが残っていく世界に変化しつつあるのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症は 私たちの生活様式を変え、価値観をも変えてしまいました。この急に押し寄せてきた新しい変化の波は、白山青年会議所の運動にも重なります。今、まさに私たちの運動はこの地域に対して「本当に必要とされているのか」「本当に価値が認められることなのか」が問われています。私たち白山青年会議所は、この環境の変化に対応した運動を力強く推進していくことで、さらに地域に必要とされる組織に進化していく必要があります。

一歩踏み出せば世界は変わる

 青年会議所には自らが成長できる機会が数多くありますが、ただ入会しているだけでは自分自身の成長を得ることはできません。メンバー各々が自らの意思により成長したいかどうかを選択することになります。しかし、自分の成長を望む道を選べば必ず多くの試練が訪れるでしょう。ですが、その試練に立ち向かい多くの経験を積み自己研鑽を図っていくことは自分自身を成長させるための唯一の手段であると私は確信しています。私たちには「このまま立ち止まるか」「新たな歩みをはじめるのか」2つの選択肢があります。ぜひ、自らの成長のために迷ったら勇気のいるほうを選択してください。そして、この青年会議所で自ら小さな変化を起こす「機会」を掴みとってください。青年会議所には「正解」がないからこそ、自らが望めば望むほど、努力すれば努力するほど自分自身の成長を得ることができます。これからも前に進み続ける私たちには可能性しかありません。ぜひ、新しい一歩を踏み出し、共に大きく成長していこうではありませんか。

成長は自分自身の手で掴みとるしかない
新しい世界の扉を開くために、今、新たな一歩を踏み出そう

未来につながる青年会議所運動

 私たち青年会議所に「失敗」はあると思いますか。私たちの展開してきた運動はその時代での地域社会・地域経済・組織に対してなどの明確な背景があり、その何かしらの解決 したい課題に対してアプローチしてきました。そして、その事業の結果がどうであれ必ず未来のメンバーに対して、今後、より良い事業ができるように報告書というカタチで引継ぎを行っていきます。私たちは報告書を通して過去を知り、その過去を昇華させていくことでより輝く未来を描いていくことができる組織です。当然、挑戦にはネガティブな結果がでることもありますがその結果はいずれ過去のものとなり、成功するまで続けることでそれは「失敗」ではなく「過程」となり、あの時に経験した結果は成功した「今」のために必要な経験であったことを必ず理解するはずです。明るい豊かな未来を考えて挑戦をし続ける青年会議所には「失敗」という言葉はありません。この運動を未来につなげるために立ち止まることなく、勇猛果敢に挑戦していこうではありませんか。

挑戦を続けるこの組織に「失敗」はない
恐れることなく新たな挑戦をし続けていこう

多様性のある持続可能な組織へ

 現在、日本では人口減少、少子高齢化、経済成長の鈍化、大規模自然災害、新型コロナウイルス感染症などの様々な問題を抱えています。当然、私たちの住み暮らすエリア白山も同様の問題を抱えており、この白山青年会議所はこれらの多様化した社会問題や地域課題を解決していくためには、より多くの人を巻き込み影響力のある事業を展開していくことが必要不可欠です。そして、そのためにはエリア白山の明るい豊かな社会の実現を目指して取り組む理念に共感し、活動を共にしてくれるメンバーを一人でも多く迎え入れていく必要があります。

 私が白山青年会議所に入会した2016年度のことですが、期首会員は20名であり本年度の期首会員とほぼ変わりませんでした。当時の諸先輩方も会員数が右肩下がりのこの状況に強い危機感を持ち、組織を持続させるために会員拡大に注力したとお聞きしました。まさに、今の白山青年会議所がおかれている現状そのものです。その結果、当時の諸先輩方が一丸となり会員拡大を行い1年間で20名の新たな会員が入会することとなり、11月には40名LOMとなったことを今でも覚えています。当時、私たち新入会員は、11月に新入会員企画として例会アワーを構築したのですが、今では考えられない20名の委員会です。当然、多くのメンバーがいる委員会では意見の数もメンバーの数だけ多くなります。その意見の中には自分では思いもつかないような意見も多くあり「なるほど」 と感心することや「そういった考え方もあるのか」と気づかされることが私にとってとても刺激を受けた貴重な時間でした。多くの仲間がいるということはそれだけ多くの意見が生まれ、切磋琢磨していくことでより洗練された事業が構築されていきます。私自身がこの過程を経験したことで「すべての出会いは学びにつながる」とともに「数は力である」ことを確信しました。私は、今も当時の理事長をはじめとする諸先輩方には「修練・奉仕・友情」のきっかけとなる「人とのつながり」を頂いたことに感謝しています。この経験をさらに多くの同志に伝えていくために「人と人とをつないでいく」ことは、私たち白山青年会議所に課せられた使命のひとつであると考えます。

白山青年会議所は青年最後の学び舎である
私たちに続く後輩たちがこの学び舎を未来へつないでいくために、今、行動しよう

自然資源と文化資源を活用した地域振興の推進

 大都市一極集中を解消し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした地方創生政策が2014年より始まりました。翌年以降、内閣府が主催する「地方創生☆政策アイデアコンテスト」が毎年行われ、各地域の人々が自身の暮らす地域やゆかりのある地域の現状や課題について分析し、そのうえで解決策となるようなアイデアを提案しています。それらの提案のほとんどは今あるものを活用した町おこし政策であり、地域の自然資源や文化資源を見つけて生かしていくという「ないものねだり」から 「あるもの探し」へと視点を変えており、環境保全と社会発展を共存させる持続可能な地域の発展を目指す取り組みであると言えます。

 私たちが住み暮らす白山市では市内全域が「山―川―海 そして雪 いのちを育む水の旅」をテーマとする「白山手取川ジオパーク」が2011年9月5日に日本ジオパークに認定され、様々な組織が自然環境や地域で受け継がれてきた文化の魅力を生かすことで交流人口の拡大に取り組んでいます。そして、2020年10月には日本ジオパーク委員会から国内推薦を頂き、ユネスコへ世界ジオパーク認定の申請を行っており、今後、世界ジオパークに認定されれば日本では10番目となり多くの来訪者も期待できます。私たち青年会議所のメンバーもこの地域にある魅力・特色をより深く理解し、その貴重な自然や文化・遺産を再認識していくことで、それらを活用した地域振興や社会発展につなげていく必要があります。

あなたは郷土の魅力を伝えることができますか
魅力ある資源と共存していくことは地球に住み暮らす私たちの使命である

今を知るために過去を学ぶ

 私たち青年会議所のシンボルマークであるバッジの右側中心部には国連マークである地球儀のマークがありますが、このマークの使用を認められている組織は国連及び国連関連機関以外では世界中で「JCI」だけであり、唯一使用を許可されています。このように世界的に認められた組織の一員としてバッジをつけている私たち白山青年会議所は、地域においても様々なつながりが存在します。私たちメンバーが白山青年会議所の名刺を出して協力を求めることで、他団体にボランティアを依頼することができたり、賛同してくれる諸先輩方に協賛金を募ったりと様々な方法で「力」をかりることができます。しかし、この「力」をかしてもらえるということは当たり前のことではありません。私たちがこの地域で円滑に運動を展開していくことができるのは地域のために気概をもって挑戦し続けてくれた諸先輩方がいたからであり、白山青年会議所の51年間の歴史や伝統をつないできてくれたおかげで「今」が存在します。私たち現役メンバーが諸先輩方からこの白山青年会議所の過去を知り、「今」という現状の立ち位置を理解していくことは、今後の白山青年会議所が地域に根差した活動をしていくうえで必要不可欠なことです。

「今」があるのは当たり前ではない
未来に大きな希望を描き、挑戦し続けてきた「想い」を紡いでいこう

地域の未来を担う子供たちのために

 県内一の面積を持つ白山市は、白山麓から日本海まで「山・平野・海」が楽しめる自然豊かな地域であり、生活面においても812市区を対象とした「住みよさランキング2019」(東洋経済新報社)では総合評価で全国1位となりました。また、2021年度のランキングでは野々市市が2年連続の1位、白山市6位、能美市13位と私たちの住み暮らすエリア白山は毎年ランキング上位に位置しており、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」の4つの視点からみれば非常に住みやすい地域であるといえます。しかし、このような住みよい地域であっても、多くの地域で課題とされている人口減少の影響は避けては通れない問題です。現在、白山市全体でみると人口は2007年よりほぼ横ばいで推移していますが、町や区単位でみると人口減少地域は顕著に表れてきているのではないでしょうか。人口減少の要因は少子高齢化の影響や若年層の都市部への流出など様々な原因が考えられますが、まずはこの地域の未来を担う子供たちに対して、夢や大きな希望が持てる環境を整えていくことが重要です。まさに、地域の一番の宝は子供たちであり、この子供たちの意志がこれからの地域の未来を創り上げていきます。私たち白山青年会議所は、未来に向けて笑顔で暮らせる地域社会を残していくきっかけを作ることが責務であるとともに、本気で向き合う大人たちの存在は必ず子供たちの心にも残っていくと確信しています。

子供たちは未来を担う大切な宝である
協力して成長し合う「協育」を目指して、共に地域の明るい未来を切り拓こう

ALL白山でつなぐ地域の輪

 2014年、(公社)日本青年会議所北陸信越地区石川ブロック協議会と石川県商工会議所青年部連合会及び、石川県商工会青年部連合会の3団体が地域活性に向けた想いをひとつに、北陸新幹線金沢開業を見据えた石川県のさらなる発展につながる取り組みを協力して実施することと、青年同士の交流と連携の促進を目的として石川県青年友好3団体調印式を行いました。同年以降、白山市においても地域の垣根を越えて同じ志を持つ仲間として白山市のさらなる発展と有機的な連携を目指していくために、白山市青年友好団体大交流会が行われることとなり、着実に団体間の交流を深めてきました。そして、2016年、白山市青年友好3団体がより連携し地域を盛り上げていくことができるように白山青年会議所が主導のもと白山市青年友好3団体締結調印式が鶴来の地で行われ、ここに「ALL白山青年サミット」という組織が生まれることとなりました。

 平成の大合併以降、1市2町5村がひとつの姿となった歴史が浅い白山市であるからこそ、これまで希薄なつながりであった私たち青年3団体がより強固な横のつながりを持ち一体感を醸成していくことが求められています。まさに、このALL白山青年サミットは、各地域で光り輝く活動を行っている青年たちが想いをひとつとして活動することのできる唯一の組織です。そして、山・平野・海にわたる広大な面積を持つ白山市が各地域に根差した伝統・文化を継承しつつも、白山市としてのこれからの未来を切り拓いていくためにこの組織は無限の可能性を秘めた必要不可欠な組織であることを知っておく必要があります。このALL白山青年サミットの活動を白山青年会議所のメンバーに発信・周知して事業参画を促していくことは各地域を結ぶ組織のネットワークを最大限に活用していくためには重要なことです。例えば、もし、白山市内で自然災害が発災した場合はどうでしょう。必ず私たちのこの組織のつながりは生かされてくるはずです。ALL白山青年サミ ットはこれからの地域の未来を考えていく重要な組織であるということを私たち現役メンバーが理解するとともに、自身の住む地域とは違った地域の実情を知ることで新しい気づきや学びを得ることでメンバー個々の成長の一助につながっていくと確信しています。

>ALL白山青年サミットは地域の光り輝く希望である
この地域を明るい未来へと導いていくために、希望の光をつなぎ続けていこう

規律ある組織運営の継承

 一昨年以降から続く新型コロナウイルス感染症の蔓延により、青年会議所という組織の中で一番重要な部分であるメンバー間での「よく集まり、よく話し合う」という基本姿勢が希薄になってきています。コミュニケーションの主軸はオフラインからオンラインに移行しつつあり、お互いにパソコンの画面越しでは言葉と言葉で会話することはできますが、本当の意味での心と心でコミュニケーションをとることは難しくなっているのではないでしょうか。このような状況の中でも私たちは組織として、諸先輩方から受け継がれてきた正しい組織運営を実践していく必要があります。白山青年会議所が「明るい豊かな社会の実現」に向けて地域に一つでも多くの選択肢を示し続けていくためには、地域から信頼され必要とされる組織として規律を保ち、秩序ある運営が求められます。そして、メンバー一人ひとりが青年会議所で与えられた役職を通じて組織の在り方について考えていくことで、この組織はより強固な組織として成長していくと確信しています。

未来の組織を創り上げていくのは、今ここにいる私たちである
規律ある組織を継承していくために、一人ひとり何ができるかを想い描こう

持続可能な未来を創るために

 2018年6月15日、白山市は国連が定める「持続可能な開発目標」の達成に向けた優れた取り組みを提案した自治体として「SDGs未来都市」に選定されました。白山の恵みを次世代へ贈る「白山市SDGs未来都市計画」を策定し、山間部を中心とした産学官民連携のもと環境に調和した持続可能な経済発展や豊かな生活を実現していくことで、その成果を白山市全体に還元していくサイクルの確立を目指していきます。そして、このサイクルの確立を実現させていくためには、私たち市民一人ひとりの主体的な「学び」「成長」「挑戦」が必要不可欠であり、市民参画のもと一体感をもって構築していくことが求められます。

 白山青年会議所では、白山市とSDGsの理念に基づき「白山市SDGs未来都市計画」を推進していくために、「持続可能な開発目標(SDGs)における達成推進に関する連携協定」の締結調印式を2019年3月20日に行いました。この調印により私たち白山青年会議所は白山市とともに、SDGsの認知度向上を図り、市民への普及啓発に取り組んでいく連携協力の意志を示しました。当時のことですが、SDGsという言葉は今ほど普及しておらず、私たちメンバーの間でも解釈に違いがあり、互いに話し合いながら 理解を深めていったことを覚えています。まずは、私たちメンバーがSDGsに関心を持ち、誰かがやればいいという他人事ではなく、自分たちで行っていくという自分事に捉えることが必要不可欠です。そして、私たちの運動を広く発信していくことで市民一人ひとりにSDGsを知っていただくとともに、個々でできるSDGsを始めてもらうきっかけを作ることで、社会環境・生活環境・自然環境などの全ての環境に好影響を与えることにつながっていくと確信しています。2030年のあるべき姿の実現に向けてSDGsの推進を積極的に取り組むことは、持続可能な社会を創っていく私たち白山青年会議所の使命です。

持続可能な社会を創れるのは今を生きる私たちだけである
継続し続けることが希望輝く未来につながっていると信じ、挑戦しよう

未来から今を考える

 白山青年会議所は「未来から今を考える」という55周年ビジョンを掲げており、このビジョンの達成に向けて私たち一人ひとりが地域の未来をイメージすることで、今何をするべきなのかを考えていく必要があります。しかし、「未来のことは誰にもわからない」「3年後のことなんて想像できない」と考えるメンバーもいるのではないでしょうか。当然だと思います、この答えに正解は存在しません。ですが、ひとつだけ確かなことは3年後の未来を創るのは今の私たちであるということです。「未来」は「今」の私たちの延長線上にしか存在しません。これからも白山青年会議所がこの地域を明るい豊かな社会へと導いていくためには、今まさにメンバー一人ひとりが能動的に行動し地域の価値を創出していくことが必要不可欠です。

あなたは「今、この地域をどうしたいか」と問われれば何と答えますか
この問いへの答えが私たちの地域と組織の未来を創っていきます

結びに

青年会議所とはいったい何をするところなのだろうか。この組織は「明るい豊かな社会の実現」という理念のもとに多くの課題と試練を与えてくれます。私たちは、与えられる大きな壁に幾度となく挑戦し跳ね返されることで「学び続ける・考え続ける・挑戦し続ける」大切さを理解していくことになります。まさに、自分自身を奮い立たせるような経験ができるこの組織は他に経験することができない唯一無二の存在です。私は青年会議所に入会し6年間、様々な役職を与えられることでその度に直面する課題に挑み続けてきました。それは、そこに挑む価値があったとともに、多くの経験を積み重ねていくことが自らを変えていく良い機会であると確信していたからです。人は変わろうと思っても、急に変われるものではありません。ぜひ、環境の変化が起きていると感じるときは自分自身が前に進んでいる証拠であることを自覚し、変化を受け入れて行動している自分に自信を持ちましょう。青年会議所で活動する私たちには平等に卒業を迎えますが、一人ひとりが得られる経験は平等ではありません。40歳までという限られた時間の中だからこそ日々の変化を楽しみ、精一杯、前に進もうではありませんか。

一般社団法人白山青年会議所
2022年度理事長 作野 嘉昭