スローガン

理事長所信

はじめに

 1971年に白山青年会議所の前身である松任青年会議所がこの地に誕生しました。当時の話を聞くとスポンサーJCである金沢青年会議所に何度も出向き、定例会に参加し、教えを乞いながら活動をしていく中で「松任なんかに青年会議所はできないし、必要ない」と時には罵倒されながら、「なにくそ」という気持ちで設立に向け尽力され、ゼロからの創立ということで仲間と共に大志を抱き相当なエネルギーと時間を費やしました。この変革を創造し能動的に活動していく精神は時代を超え受け継がれ、青年会議所活動の基盤となっています。その基盤をもとに青年会議所活動が地域の価値を創出、質的向上を図る上でSDGsの17の目標は有効な指標です。SDGsはすべての人が平和と豊かさを享受できるようにと2015年に国連で採択され2030年まで世界が達成すべきゴールを示した持続可能な開発目標ですが、よい成果があがっている内容があるものの、現状の達成率ペースでは2030年までに達成されない内容や問題解決の見通しが立ってない内容もあります。明るい豊かな社会の実現させるためにも青年会議所が能動的にSDGsに取り組み、目標達成に向けた一翼を担う必要があります。

新しい時代へ

 昨年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により実施された経済活動の停止措置により、世界経済は短期間のうちに甚大な影響を受け、深刻な景気後退に陥りました。我が国においても感染者数が累計69,150名にのぼり、1,314名(2020年9月1日現在)の尊い命が奪われ、日本経済においても甚大な影響を及ぼしました。また、新型コロナウイルスの感染拡大当初に卒業式、入学式や入社式など新たな門出を祝う時期と重なり、式の中止や縮小開催など、子ども達、新社会人にとってもショッキングな出来事として心に刻まれました。我々のJC活動においても各事業の中止や活動自粛期間があり、様々なツールを活用しながら活動を行ったものの、実績を残すことが難しい年となりました。しかし、この流行により医療現場ではオンライン診療、福祉施設では新たな感染症対策の取り組みや企業、学校でもオンラインの活用や在宅勤務、在宅学習が導入され、新たな生活様式として定着しつつあり、様々な知識や経験を得ることができました。この新型コロナウイルス感染症により得られた経験を今後、起こりうる未曾有の出来事を乗り越える力とするために次世代のリーダーである青年経済人を中心に変革を創造し能動的に運動を展開し地域を牽引していかなければなりません。

食の未来を考える

白山市は未曾有の事態にどれだけ対応できるだろうか

 近年、2016年熊本地震、2018年西日本豪雨、北海道胆振(いぶり)東部地震、2020年九州豪雨などの災害が頻発しています。今後も地球温暖化や海水温度上昇の影響による異常気象が増えるというデータがあり、今までの常識が通用しない時代になってきていきます。また、海外では蝗害(こうがい)が発生し、農作物に甚大な影響を及ぼしています。この危機を打開すべく、国連食糧農業機関( FAO )などの支援の下で各国が駆除活動に当たりましたが、増殖スピードが速い上に新型コロナウイルスの影響で作業員の移動や駆除するための薬剤の運搬がままならず、駆除活動に支障が出た経緯がありました。今後この様な複合災害への対策も急務となります。さらに、今後増えると予想されている異常気象の影響による食料危機が懸念されているほか、世界の人口増加に伴う食料需要は、2000年に約45億トンのところ、2050年には約69億トンまで増加する見通しとなっています。しかし、日本で消費する食料は、国内で生産される農畜産物だけでは足りず、多くの農畜産物を外国からの輸入に頼っています。自国の食料を他国に委ねている現状は危機的な状況といっても過言ではなく、持続可能な日本を創造していくにはこの食料問題は避けては通れない問題です。以上のように世界的に食に関する環境が大きく変わりつつある中で、我々が住み暮らす白山市においてもこれらの危機がおこり得ることや温暖化の影響により農作物の品質の低下や見込んだ収穫量が確保できない状況があります。また、平野部では大規模農業の推進により生産効率化を図れているものの、山間部では現実的に大規模農場が推進できないことで農業従事者人口の低下などの問題があり未来を見据え、食料に付随する問題を解決していかなくてはいけません。様々な問題を解決していくために新時代の常識を推測し、対抗策を打ちだすことは必要ですが、常識は時代と共に変わります。未曾有に対抗するには、「多様化」が必要であり、多様化を図ることでリスクの軽減につながります。今年度、白山青年会議所では一歩先の「食の在り方」を推進し安心して暮らせる持続可能な地域へと導く活動を行います。

地域に必要とされる組織

今後の地域社会では何が求められているのだろうか。

 近年の社会問題は多様化しており、地域問題を解決していく青年会議所においてもダイバーシティが求められます。しかし、青年会議所の会員数は全国的に減少傾向にあります。全盛期には67,000人いた会員が2020年1月付けで約33,000人まで減っています。2000年からの20年間で20歳から40歳までの人口に占める割合は28%から21%に減少し、該当人口が減っている事実があるものの、各地会員会議所の弱体化は否めません。弱体化した組織では多様化する地域の課題を解決していくことが困難になり、存在意義も薄れてしまいます。つまり、多様化した社会問題、地域問題を解決し明るい豊かな社会を実現させるためには、会員拡大活動は必要不可欠な活動です。会員減少の推移や理由は地域による差はあるものの、白山青年会議所においては「青年会議所に魅力がない」、「会員の気概の低下」などの理由が挙げられることは事実です。これらの事実から目を背けず、率先して足を使い拡大活動に邁進し、より多くの会員の個性を活かし、多くの視点からの意見や発想をもって柔軟に課題解決することや力強く広く運動を発信、展開することすることで多様化する地域のニーズに応えられ、地域に必要とされる組織になります。

組織に変化と力を

白山青年会議所は今後50年、100年と存続していけるだろうか。

 長い年月、存続できている組織は変化できる組織です。ITツールの進化やグローバル化により、組織運営における環境の変化が速まり、多様化が必要となっています。このような時代だからこそ常に長期的展望を描き続け、方向性を明確にした上で短期的な成果を積み上げていき検証から学び、次に活かすPDCAサイクルを繰り返し、必要に応じてOODAループを取り入れることで変化に対応できる組織の力が培われます。常に一歩先と遠い未来を併せ見る視点や時代の変化に適応できる仕組みを次世代に残していくと共に会員の心に刻むことで「変わり続ける力」となり、どんな時代でも生き抜くことができます。今年度は変わり続ける力を身に着けていくためにALL白山青年サミットを筆頭とした他団体と密に連携すると共に日本青年会議所、北陸信越地区協議会、石川ブロック協議会から得られる新鮮な情報を吸収し、その情報を組織に周知し柔軟な考えで組織を運営していきます。また、組織力強化の土台は人間関係の構築です。人間関係を構築するには、それぞれの個性を認めることで信頼関係を築くことができます。同じ目的に向かって本気になって汗をかき、苦楽を共にして切磋琢磨することで真の仲間になることができ、生涯の友と成り得るのです。青年会議所は想いさえあれば、なんでもできる組織です。地域のため、人のため、熱い想いを持って行動したその先には明るい未来が待っています。

次世代に残すべきこと

本質とはなにか

 私が白山青年会議所に入会した当初、例会研修委員会という定例会の企画、運営も担っている委員会に配属されました。当時の委員長から「5月に司会をしてください。定例会の事前リハーサル、当日リハーサルがあるので、時間に都合をつけて参加してください」と言われました。しかし、内心では仕事優先で絶対にリハーサルなんてしないと思っていたので、委員長に言い訳をして事前リハーサルの僅かな時間だけ読み合わせを行い、夜中にひとりでシナリオを音読しました。その時の私は仕事で疲れているところ、練習して自分なりにできる限り練習したんだから大丈夫と自分本位の気持ちで当日臨みました。結果、何度も詰まり、スムーズな司会進行ができませんでした。悔しくて「もう一度、どこかで司会をさせてください」と委員長に言ったことを覚えています。委員長が機会を提供してくれたにも関わらず、浅はかだった私は委員長の気持ちに応えられませんでした。今後、生きていく上で必ず様々な困難が待ち受けています。その困難を乗り越えていくには、日々の様々な経験の積み重ねが重要です。なぜ、リハーサルを行うのか。なぜ、事業計画書にのっとり事業を行わなくてはいけないのか。なぜ、事業計画書に背景、目的、効果があるのか。そのような本質を見極める力を持った会員が減少してきているように感じます。本質を見極めるためには聞いて吸収するのではなく、体験を通してインプットした経験、知識を他の会員に納得できるようにアウトプットすることができて初めて本質を理解できたことになるのではないでしょうか。私自身、JC活動で様々な経験をさせて頂きましたが、その中でも泥臭い経験の方が記憶に残っていますし、自分の価値に直結していると確信しています。会員に対して能動的に行動を起こせる仕組み、泥臭い経験ができる仕組みを創っていきます。

創立50周年の次のステージへ

 昨年度、白山青年会議所は創立50周年を迎えました。昨年の新型コロナウイルスの影響を受け、予定していた記念式典・祝賀会の延期や記念事業が中止となりました。周年事業は青年会議所の欠点を補うとても重要な仕組みです。青年会議所は単年度制で組織も事業も常に新しくなるところがいいところです。しかし、単年度制の欠点として外部との繋がりの維持や実績の継承が困難なこと、事業が毎年違う場合、LOMとして何を目指しているかが不明だと、外部の協力者がついてくることが難しくなります。このように、単年度制だからこそ、一定の間隔で単年度制の欠点を解決していく必要があります。例えば、シニア、日本青年会議所、他LOM、行政、企業などを集めて繋がりを構築、維持する。中長期のビジョンを作り、LOMとして目指している方向性を共有し、外部に伝えることなど、周年は「節目」でもあるので、ビジョンの作成と合わせてこれまで継続してきた事業を見直すタイミングでもあります。このタイミングを利用し過去のLOMの実績を知ることで新しきを生むヒントとすることができます。昨年度は単年度制の欠点を解決できず、今年度に至っています。今年度は単年度制の欠点を補うために昨年度の「全会員が手と手を取り合い、心ひとつに」という想いを活かしつつ、新たな時代の記念式典を開催します。

おわりに

 私にとって、白山青年会議所は入会していなければ出会わなかったであろう様々な感性を持った人と出会い、仲間と一緒に知恵をしぼり、汗をかいてきた学び舎です。この学び舎は本気で向き合い汗をかいた分だけ気づきや出会いなど多くのことを教えてくれます。一番大切なのは心です。本気になって汗をかくことで、多くのことを教えてくれる学び舎は他にはありません。この学び舎を次世代に伝えていくために、とことん結果にこだわっていきたい。結果を出し続けなければ、白山青年会議所は消滅します。結果を出すために遠慮せずお互いを律し、様々な個性をぶつけ合い新たな色を発色させよう。様々な発色があった時、必ず、もっともっと面白くなる。様々な発色が輝き出した時、必ず結果は出ている。

様々な色を持った会員がいるから面白い
私たちは、なんだってできる
全ては己次第
一緒にやろう
未来の安心のために

一般社団法人白山青年会議所
2021年度理事長 三口 正敏